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2009.09.19 (Sat)

恐怖の夜行列車

時間になったので、バラナシ行きの列車に乗るため、
リクシャーで駅へ。ニューデリー駅は工事中なので、
隣の駅まで100Rs。
(すごく遠かった。)

これ全員乗るの?!外国人だからか、
すごい見られる自分。
なんか恥ずかしくなってきた…

o0800060010200480848.jpg

乗り方が分からなくてうろうろする
悲しい日本人がここにいますよ。
3等のB1というコーチらしい。

容赦なく滑り込む電車。
B1ってどこよ…

あったー!
と思って入ろうとしたら
プレート付け替えられた。

テメエ!

余裕しゃくしゃくで新潮文庫を読んでいる
日本人を発見。
すいません、どうやって電車に乗ればいいんですか…

どうやら、電車の外にある紙を見て自分の名前を確認して
乗り込むらしい。
この場を借りて教えてくれた彼と新潮文庫に感謝申し上げます。

まー教えてもらったけど全然見つけられなくて、
駅員らしき人に誘導してもらった。
人はひとりでは生きられない。
それに気づかせてくれてありがとうございます。
ようやく自分の席を見つけてほっとしていると、
静かに電車が出発した。

日本人にドーモーとか言ってみたり、
インド人に笑顔を振りまいて
なんとかあたたかい空気を作りつつ、
まったりする。
一緒に夜を明かすんだから仲良くしないとね。

自分のほかには、日本人2人とインド人2人、チベタン(チベット人)1人。
通路を挟んで、日本人とポルトガル人の夫婦1組。

000.jpg



ここで事件発生。



インド人Aとチベタンと夫婦が
ソワソワ英語で話してる。

英語での会話で仲間に入れずポカーンとしてると、
みんな複雑な顔になっていく。

たまらなくなって、日本人Cに
何があったの?と聞く。

発車直前にインド人B(図中B)が
荷物を置いていったまま戻ってこない。
荷物を見ていてとも言われなかったし、
指定席なのにいないのはおかしい。
ニューデリーでテロがあった次の日だし、
もしかしてこの荷物、

爆弾じゃないかな…って。

そういえば、インド人2人のうちインド人Bがいない。
椅子の下には大きな黒いボストンバッグ、
棚の上には筒状のものが入った黒い鞄。


パニックになりそうだった。
テロの翌日っていうのはあまりにもリアルだし、
恐怖でいっぱいになった。

インド人とポルトガル人は、その人を捜しに別の車両に消えた。
残された自分たちは、爆弾かもしれない鞄の目の前にいる。

恐怖に耐えかね、
「もう、外に投げ捨てよう」と誰かが言った。

それがいいと思ったけど、
自分の死がものすごくリアルになって、
動けなかった。

手足が吹っ飛んで、粉々になる自分を想像した。
お母さんのことを思い出した。

泣きたかったけど、涙が出てこない。
恐怖で押しつぶされそうとはこのことか。
死なんて考えたこともなかった。
考えたことはあっても、
身近ではなかった。

誰かに命を奪われるとは、なんと理不尽なことか。
体の毛穴という毛穴がチリチリと音を立てる。
鳥肌が立って、息ができない。
どうしようどうしよう、と思っても、
何も思い浮かばない。

そして列車が次の駅に着いたとき、
私はとっさに爆弾を持って外に飛び出した。

振動を与えちゃいけないとか、
そんなこと考えもしなかった。
何も考えず、体が勝手に動いていたのだ。

駅にいるインド人にまさかの日本語で、
「爆弾かもしれないからここに置きたい。
怖いから置いていきたい」

と言った。
言葉に出したとたん、ものすごい涙があふれた。
しゃくり上げて、呼吸困難になるくらい泣いた。

泣きながら、なんとかインド人に伝えなければ!と思い、
「ぼむー!ぼむー!」
って言ってた。(Bomb)

偶然、日本語の分かるインド人が来て、
「ここは私に任せていいから、列車に戻っていいよ」
と言って荷物を受け取った。
助かったのか…よく分からなかったけど、
いいというなら大丈夫なんだろう。

号泣しながら席に戻ると、
頑張った頑張ったって奥さんが言ってくれた。

泣き止まない私を見た日本語の分かるインド人が、
ちょっと落ち着いて、と水をくれた。

やっと涙が止まって、
顔を上げると、ものすごい数の人が私を見てた。
どうやら大騒ぎになっていたらしい。

しかし、私は賞賛されて当然の行為をしたはずだ。
ここにいる数百人の命を救ったのだ。
明日、新聞に私の顔写真が大きく出るはずだ。
「邦人女性がインドを救う!拍手喝采と鳴り止まない賞賛の声!」
という見出しがインド国内の、いや、全世界の
新聞を賑わすことは容易に想像できた。
くっそう…こんなことならもっと英語を勉強しとくんだった…

「えぇ、あの時は夢中で…でも、人の命の重さを考えたら、
いても立ってもいられなかったんです。」
あぁー「夢中」って英語でなんて言うんだろう!!!!!

そんな腹黒いことを密かに考えていたら、
たくさんの人の間から、


爆弾が…


戻ってきた。

え!なんで!何!!!と思ってると、
テロリストと思われるインド人Bが、
人の波をかき分けて出てきた。

ポカーンとしていると、
奥さんが通訳してくれた。

実は、荷物の持ち主は
列車の中で発見された。
友達の乗っている車両でしゃべっているのを、
ポストガル人の夫が見つけたらしい。



え、じゃあ爆弾じゃないの?


このときほど間抜けな顔をしたことないかもしれない。
ってくらい、弛緩したと思う。
全世界は私に見向きもしなかった。
それどころか、翌日のローカル紙にこんな見出しが躍るに違いない。
「早とちり日本人!ぼむーと叫んでお騒がせ!」
「いやぁ、参りましたよ。まさか爆弾なんて…ねぇ。
勘違いで電車止めちゃって、
あの泣き顔に誰もが失笑でしたね(笑)」
という証言者が出てもおかしくない。

勘違いしてごめんなさいって謝ると、
(厳密には日本人Cに通訳してもらうと)
インド人Bと仲良くなれた。

彼は、テロリストじゃない証拠に、って、
名刺をくれた。

ネスレ…

彼はあのコーヒーのネスレで働いているらしい。
バラナシへは、会議で行くんですって。
activation exectiveって書いてある。
意味分かんないけど、エグゼクティブって偉い人だよね?

すっかり仲良くなったので、
持ってきた千代紙で鶴を折って渡すと、
娘にあげるといって喜んでくれた。

もう疲れた…
トイレに行こう。


紙がない…

途方に暮れた私は一旦トイレを出る。
なんてことだ…紙…紙…

そして私はつぶやいた。
「さんばりーぷりーずぺーぱー!」

小さな声でつぶやいたはずなのに、
トイレの近くにいたインド人女性がすっと紙を差し出してくれた。
神よ…

無事用を足した私は、
席に戻り、寝る準備をする。

インドはドラマだな…と思いながら、
思いを馳せた。
映画の話は断ってよかった。
こんな体験ができたんだから。

おやすみなさーい
DSCN0318.jpg

テーマ : インド - ジャンル : 海外情報

20:57  |  2008年インド_BLOG  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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